

[学] 地球大学#29:都市型有機農業 in キューバ
大手町カフェで毎週水曜日に開かれている「地球大学」、今日は通算29回目、そして「シリーズ地球食」の第5回、テーマはキューバを舞台とした「都市有機農法の可能性」でした。
キューバの首都ハバナで、そこに住む人々を養う都市型の有機農業が展開されている、という話を小耳に挟んだのはつい数ヶ月ぐらい前のこと、それまでキューバという国についてのイメージは、キューバ危機(数年前に13 Daysという映画を観た)とゲバラとカストロとシガーと、、ぐらいしか無かったのですが、話を聞いてみると、ソ連崩壊によって後ろ盾を失ったキューバは、やはりソ連から輸入していたエネルギーも食糧も突然入ってこなくなり、その結果大不況に陥り、その中で人々が生きていくために、化石燃料に頼らない、持続可能な農業をせざるを得なくなった。化学肥料、農薬も手に入らなくなったために、必然的に有機栽培となり、輸送のエネルギーも無いために、必然的に消費者の集中する都市に密着した地産地消となり、、そしてそれにまんまと成功してしまった、というようなことがこの10年程の間に起きていたらしいのです。
ということで、今日のセミナーでは、8回に渡ってキューバを訪問、件の有機農業を視察されている、長野県農政部の吉田太郎さんという方がゲストに招かれていて、短い時間の中に、近代的農法の確立、いわゆる「緑の革命」に貢献した二人のノーベル賞化学者、持続不可能なリン酸肥料(ナウルを例に)、ピークオイル、日本とキューバの色々な類似性、ソ連崩壊前のカストロ政権下での従来型農業、ソ連崩壊後のキューバ凌ぎ(by 吉田さんギャグ)でしかししたたかな国家的農業戦略、これに成功した秘訣とも言えるキューバ人のおおらかさor良い↓加減さ(地球大学では「イー→加減」(第1声)ではなく「いい↓加減」(第4声)というイントネーションで発音します)、先端医療国としてのキューバ、ベネズエラとの連携(吉田さん曰く"善"の枢軸国)、持続可能な農業の真のルーツとしての日本、そしてアジア、、あぁその他様々な話を広く広く、聞くことができました。それぞれを深く深く掘り下げたいような話ばかりでした。吉田さんの著作を手に入れて是非読みたいと思いました。(会場で2割引で売っていたのに、手持ちの現金が足りなくて買えなかったT_T)それだけでなく、吉田さんは、自虐的な冗談ばかり飛ばしていたカナリ面白い人で、まったく元気にさせてもらいました。
前半終了。
さてさて、一度書き始めると長くなる僕の悪い癖ですが、ここに面白い話があります。ちょっと前にWWFが出した(ちなみにWWFのウェブのアドレスはwww.panda.orgなんですよ、パンダですよ、知ってましたか?素敵なセンスですね)、"Living Planet Report 2006" というレポートがあるのですが、この中で、国や地域毎の持続可能な発展性ってのが、国連の人間開発指数とエコロジカル・フットプリントという指標を使って評価されています。
上の図はこれを示したもので、国毎のデータが円でプロットされています。横軸が人間開発指数、これが右に行く程豊かな生活を送れている国、縦軸がエコロジカル・フットプリント、これが上にいく程環境に与える負荷の大きい国、円の大きさはその国の人口の大きさを示しており、さらに北米、ヨーロッパ、アジア、、等の地域によって色分けされています。そうすると、このグラフが右肩上がりの双曲線になっているのは自然なことで、豊かな暮らしをしている国程(右の方に行く程)、環境に与える負荷が大きい(上の方に位置する)という意味ですね。黄色で示されているアフリカの国々は、おしなべてグラフの下の方にあるけれど、左の方に固まっています。右上にある大きめのオレンジの丸はアメリカで、暮らしは豊かだが負荷も高し、という感じですね。縦軸で4.3ぐらいのところに位置する、一番右にある大きめの緑の丸が日本です。アメリカに比べると、環境負荷は半分以下です。線が引っ付いている丸がいくつかありますが、これはいくつかの国をサンプルに取って、1975年から2003年までの軌跡を描いたものです。中が空白(人口10億以上を意味する)の緑の丸はインドと中国ですが、この28年の間にズイズイと右の方に移動、つまり発展してきています。この大きな二つの円がアメリカのような高さに位置してしまったら恐いですね。南アフリカは、一度は発展したが、また元に戻ってしまっています。
さて、ここで、右下に網かけのエリアがありますが、これは生活の質は高いが環境負荷は低いことを示すエリアで、彼らの定義で「持続可能な発展」の条件を満たす範囲のようなのですが、ここに一つだけ茶色、つまりラテンアメリカ・カリブ海地域の国が入っています。そう、実はこれがキューバなんです。
今日の地球大学の話にもありましたが、彼らは強いられて、石油を始めとした海外資源への依存から脱却し、その過程の中で結果として持続可能な社会を作り上げてしまった、ということなのですが、それがこのデータにもはっきり現れているようで面白いです。そしてその新しい発展を実現できた最大の理由は、やはり化石燃料からの脱却にあると思うのです。ということで僕は今日も、石油の価格が早く10倍ぐらいにならないものかと、願い続けるばかりです。
下の図は同じレポートからのものですが、面白いので貼ってみました。国全体でのフットプリント(環境負荷)の大きさに合わせて、各国のサイズを縮小拡大したもので、アメリカやヨーロッパの国々、そして日本も超肥大化、そしてアフリカが潰れてしまっているのが良く分かります。国のサイズは国民総和での環境負荷ですが、一人当たりの負荷は色分けで示されています。カナダやオーストラリアは一人当たりの環境負荷(エネルギー消費量とか)はアメリカと対して変わらない(同じ濃い赤色)ですが、人口が少ない分、サイズは小さくなっています。中国は一人当たりは少ないけれど、人間が14億もいるので、このサイズです。んー、この地図、気持ち悪いですね。Super Size Me って感じ。
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ところで今日、セミナーの後半で竹村さんと吉田さんがディスカッションをしていた最中に、ボケーっと「日本一億農民化計画」とかって言葉を思い付いてしまって、そんな運動ができたら楽しいな、とか考えていたんですが、誰か一緒に乗りませんか?ドメインは ichioku-nomin.jp で。

